知らないと絶対に損をする「ペット保険」の基本
2012/07/14
最近、ペットショップや動物病院で耳にすることが多くなった「ペット保険」。お金にかかわる話だけに、しっかり理解して、加入したほうがいいのかどうか、じっくり考えてみよう。
ところで、「ペット保険」ってなに?
「ペット保険」とは、飼い犬や飼い猫などのペットがケガや病気になったときに、治療費や入院費を補償してくれる保険だ。
私たちが普段使っている健康保険と似たような制度かと思ってしまいがちだが、全く違うものなので注意が必要。どちらかと言うと、生命保険や傷害保険に近い、民間の保険商品だ。
どれほど違うか、健康保険とペット保険を比べてみよう。
健康保険は、ご存知のとおり、日本の公的な医療保険制度。国内に住む者は原則として全員加入しなければならない。そのおかげで、病院の会計窓口で保険証を提示すれば、実際に支払う治療費は総額の1~3割で済み、残りは健康保険が負担してくれる。
一方、ペット保険は民間の保険会社等が運営する保険商品。ペットショップがペットの購入客に加入を勧めるケースが多く、最近ではペット保険会社がインターネット通販で直接販売する事例も目立つ。健康保険と違って加入・非加入は自由。生後間もなかったり、老齢のペットの場合には、加入したくても入れない場合すらある。動物病院等の会計窓口では、まず治療費全額を支払った後、その一部をペット保険会社に請求して補償を受け取る仕組みだ。(※健康保険に似せて、治療費の一部を動物病院が保険会社へ直接請求して、加入者の直接支払いを減額しているペット保険会社も存在する。)
【健康保険とペット保険の違い】
健康保険 | ペット保険 | |
---|---|---|
概要 | 公的な医療保険制度 | 民間の保険会社等が運営 |
加入対象 | 日本国内に住む者は原則全員加入 | 加入・非加入は自由 |
治療費の負担 | 自己負担分(治療費の1~3割)のみ。 残りは健康保険が補償 | 治療費全額を支払った後、ペット 保険会社へ請求するのが一般的 |
無事でよかった!でも…
神奈川県在住のMさん。愛犬ルークは遊び盛りの生後9ヵ月。人間で言えば小学生ぐらいか。先日ふと目を離したスキに、クッキーの袋に入っていた乾燥剤をルークが誤ってゴクリ!Mさんは慌てて愛犬を連れて動物病院へとんで行った。無事に取り出してもらったはいいが、レントゲン検査や切開手術等に要した費用は〆て89,000円。突然の高額出費に、Mさんはペット保険に加入していなかったことを悔やんだ。
9社が乱立?!保険選びはココが重要!
ルークの誤飲事故をきっかけにMさんはインターネットで「ペット保険」をさっそく検索。すると検索結果にペット保険会社の名がずらりと並んだ。
現在、ペット保険会社は9社。一口に「ペット保険」と言っても、補償内容や掛金はさまざまだ。保険の加入にあたっては、自分のペットに最も適した保険を見つけることが重要だ。各社とも特長ある商品を並べているものの、保険の専門家でない私たちにとっては、その違いがなかなかわかりづらい。
そこで、まずは、どんな場合にどのような補償が受けられるのか、といった基本的なことから整理し、ペット保険の仕組みを理解してみよう。
「ペット保険の基本形」をおさえよう
ペット保険の基本的な補償は、通院・入院・手術の3つ。
ケガや病気により動物病院等で治療を受けた場合の診療費用や処置費、入院した場合の入院費用、手術を受けた場合の手術費用や麻酔費用などが補償される。
ただし、次のような費用は、一般的なペット保険では補償されない。
- 健康診断などの検査費用、ワクチン接種などの予防費用
- サプリメントやビタミン剤等の健康食品費用
- 妊娠・出産等ケガや病気に該当しない場合の費用
- 保険に加入する前にすでに判明している先天的な異常など要する費用
- 地震などの大規模自然災害によるケガ等の治療費用
以上のことは、9社のペット保険に概ね共通しているもので、ペット保険の基本形と言える。
オプションを活用すれば、こんな補償まで!
基本形をご覧になって「おや?」と感じた方も多いのではないだろうか。生命保険では一般的とも言える”死亡した場合の補償”が、ペット保険の基本形ではついていない。つまり、一般的なペット保険の場合、愛犬を失っても補償されない。
また、散歩中に突然愛犬が見知らぬ通行人に飛びかかりケガを負わせてしまった、などというケースが気になるペットオーナーの方もいるかもしれない。この場合でも基本形では通行人のケガを補償することはできない。
このように基本形では補償されない費用は「オプション(特約)」を活用してカバーすることができる。
オプションは、保険会社によってまちまちだが、おもに次のような費用を補償するものがある。
- ペットが噛みついたなど他人にケガを負わせたり、他人の所有物を壊してしまった場合の損害賠償費用
- ペットが亡くなった場合の葬儀費用
- 障害により専用の車イスを要する場合の装具・装備費用
ただし、これらはすべてのペット保険会社が用意しているわけではない。したがって、自分が必要とする「オプション」が、どのペット保険会社で提供されているのか、事前に確認しておかなければならない。
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ライター紹介
石川 拓也
保険、共済関連のフリーライターです。昼間の顔は、某保険会社関連企業でアナリストをしています。1974年生まれ、男性。ちなみに、名前はペンネームです。 更新情報などを配信しますので、よろしければ、Twitterへフォローをお願いします。