ついにペット保険へ参戦!ソフトバンクペット保険 出揃った携帯キャリア3社のペット保険を徹底比較
2016/02/10
2016年ペット保険業界に衝撃が走った。あのソフトバンクがいよいよペット保険に参入するというのだ。
携帯キャリア大手3社すべてがペット保険を取り扱うことになり、今回はこの3商品を徹底的に比較してみた。
携帯キャリア3社のペット保険比較*
携帯会社名
引受保険会社
au
au損害保険
ドコモ(手術ケア)
アイペット損害保険
ドコモ(トータルケア)
アイペット損害保険
ソフトバンク
アニコム損害保険
項目
取扱開始時期
au
2014年4月
ドコモ(手術ケア)
2015年3月
ドコモ(トータルケア)
2015年3月
ソフトバンク
2016年1月
項目
申込方法
au
WEBサイトのみ
ドコモ(手術ケア)
WEBサイトのみ
ドコモ(トータルケア)
WEBサイトのみ
ソフトバンク
WEBサイトのみ
項目
補償タイプ
au
限定補償型
(入院・手術)
ドコモ(手術ケア)
限定補償型
(入院・手術)
ドコモ(トータルケア)
フルカバー型
(通院・入院・手術)
ソフトバンク
フルカバー型
(通院・入院・手術)
項目
取扱開始時期
au
2014年4月
ドコモ(手術ケア)
2015年3月
ドコモ(トータルケア)
2015年3月
ソフトバンク
2016年1月
項目
補償内容
au
コース50(補償割合50%)
年間の支払い限度額50万円・回数無制限・1回あたりの限度額無。
コース70(補償割合70%)
年間の支払い限度額70万円・回数無制限・1回あたりの限度額無。
ドコモ(手術ケア)
手術ケア
補償割合90%
(最低補償対象治療費3万円)
手術一回あたりの保険金支払い限度額50万円 年間2回まで
手術を含む連続した入院10日まで
ドコモ(トータルケア)
トータルケア 50%プラン(補償割合50%)
通院12,000円/日まで 年間22日まで
入院12,000円/日まで 年間22日まで
手術1回あたり最高100,000円まで 年間2回まで
トータルケア 70%プラン(補償割合70%)
通院12,000円/日まで 年間22日まで
入院30,000円/日まで 年間22日まで
手術1回あたり最高150,000円まで 年間2回まで
ソフトバンク
50%プラン(補償割合50%)
通院10,000円/日まで 年間20日まで
入院10,000円/日まで 年間20日まで
手術1回あたり最高100,000円まで 年間2回まで
70%プラン(補償割合70%)
通院14000円/日まで 年間20日まで
入院14000円/日まで 年間20日まで
手術 1回あたり最高140,000円まで 年間2回まで
項目
新規契約条件
au
生後30日~10歳までの犬猫
au携帯契約者以外でも加入可能
ドコモ(手術ケア)
・保険期間の初日におけるペットの年齢が12歳11か月までの犬猫
・被保険者が
「dアカウント」の保有者であること
ドコモ(トータルケア)
保険期間の初日におけるペットの年齢が8歳11か月までの犬猫
被保険者が「dアカウント」の保有者であること
ソフトバンク
保険契約始期日時点での満年齢が7歳11ヶ月までの犬猫
ソフトバンク指定の携帯端末で回線契約を締結したお客様及びかかる回線の利用者様を対象
項目
継続
au
年齢制限なし
ドコモ(手術ケア)
年齢制限なし
ドコモ(トータルケア)
年齢制限なし
ソフトバンク
年齢制限なし
項目
補償期間
au
1年(自動継続)
ドコモ(手術ケア)
1年(自動継続)
ドコモ(トータルケア)
1年(自動継続)
ソフトバンク
1年(自動継続)
項目
保険料例
小型犬0歳
トイプードル
au
コース50
1170円/月 12,730円/年
コース70
1,460円/月 15,980円/年
ドコモ(手術ケア)
800円/月
ドコモ(トータルケア)
50% 2,040円/月
70% 2,560円/月
ソフトバンク
50% 28,410円/年
(月換算約2,367円)
70% 37,990円/年
(月換算約3,165/月)
項目
契約者の特典
au
auカンタン決済での保険料支払いができる
ドコモ(手術ケア)
割引はないが、アイペットのサービスアイペットよりも保険料が10%~15%程度安い。携帯料金と合算で引き落としがかけられる。
ドコモ(トータルケア)
割引はないが、アイペットのサービスアイペットよりも保険料が10%~15%程度安い。携帯料金と合算で引き落としがかけられる。
ソフトバンク
通常のアニコム損保契約より3%安い
* 詳細な契約条件・補償内容・保険料他に関しては各社にお問い合わせください。
今回の比較で分かることは、ニーズ次第で最適の商品が大きく変わってくるということだ。限定補償型を検討するのであれば、auとドコモの比較になり、フルカバー型を検討するのであればドコモとソフトバンクの比較になる。
下記1)~4)に表の解説をまとめたので一読してほしい。
1) 補償内容は既存のペット保険会社の従来型商品と同じ
ドコモとソフトバンクは、既存のペット保険会社と提携し従来の保険商品を自社ブランドで販売しているに過ぎない。商品名(ペットネーム)こそ違えてはいるものの、ソフトバンクはアニコムの商品・ドコモはアイペットと同じだ。
一方、auは2社に先駆けて子会社方式でペット保険業界に参入したものの、その補償内容に独創性は感じられず、アイペットの「うちのこライト」と類似している。
2)携帯ショップでは保険に加入できない
au・ドコモ・ソフトバンクともに商品名に携帯キャリアの名前を冠しているものの、携帯ショップでは契約ができない。ペット保険の対面での販売には、保険募集人資格が必要となるため、資格の取得コストや管理コストを鑑みたためだろう。
そのため、新規契約を行うには、それぞれの専用サイトでの申込が必須となっている。
3)ドコモとソフトバンクは携帯のアカウントが必要
auに関しては携帯のアカウントがなくても契約はできるが、ドコモとソフトバンクはそれぞれの携帯のアカウントがないと新規加入できない。
ドコモでは「dアカウント」が必要となっているが、SNSアカウントとの連携などで登録ができ、ドコモの携帯契約が必要なわけではない。一方ソフトバンクペット保険は「ソフトバンク指定の携帯端末で回線契約を締結したお客様及びかかる回線の利用者様を対象」としており携帯端末の契約者でないと新規契約ができない。新規契約後、ソフトバンクの携帯を解約した場合はアニコムに契約が引き継がれる。
4)契約のメリット
携帯キャリアのペット保険は、新規契約条件に当てはまれば、保険に加入するメリットも大きい。
以下①・②にメリットをまとめてみた。
① 携帯電話料金と合算した決済も可能
引き落とし先がバラバラになってしまうのは煩わしいもの。携帯キャリアのペット保険に加入すれば、au・ドコモ・ソフトバンクそれぞれの携帯電話料金と合算できる。合算することでキャリアのポイントもたまる。もちろん合算せず携帯料金とは別に決済をすることも可能だ。
② 携帯キャリアで加入すると通常よりも保険料が割安
ソフトバンクでは、専用のWEBサイト経由で「ソフトバンクペット保険」に加入すると無条件で一律3%の保険料割引が受けられる。そのほか多頭割引や更新時の健康割引も併用可能でアニコムで「どうぶつ健保ふぁみりぃ」と直接契約するよりも安く加入ができる。
同様にドコモでも10%~15%程度安く保険料が設定されている。
WEBのみの申込に限定することで事務手続きを簡略化できたことが保険料を安くできる要因のようだ。ただドコモの場合、アイペットの通常割引(WEB割引・多頭割引など)と併用できない点は注意が必要だ。
保険料割引を求めアニコム・アイペットで大量の乗り換えが起きるのか・・??
アニコム加入者でソフトバンク携帯と契約している方・アイペットでドコモの携帯と契約している方はすぐに乗り換えたほうがいいのだろうか?
実は、一概に乗り換えたほうがいいとは言えない。
注意したいのは、それぞれのペット保険加入中にすでに何らかの治療を受け保険金を受け取った方だ。
というのも、ドコモのペット保険・ソフトバンクのペット保険ともに新規加入のみしか受け入れておらず、既存契約の引継は受付けていないのだ。
アイペット→ドコモ、アニコム→ソフトバンクの乗り換えであっても、契約内容は引き継げず、すべて新規扱いになってしまう。
過去の治療はすべて告知が必要で、場合によっては「引き受け不可」あるいは「特定部位不担保での引受」等の可能性があるため、他社への乗り換えと同じように慎重に検討したほうが良い。
乗り換えを検討すべきなのは、新規の引受基準を満たし、病気やケガもなく健康体を維持する契約者に限られる。
加入携帯キャリアからペット保険を選ぶという新しいトレンドが生まれた
ペット保険はこれまで、補償や保険料・保険会社の信頼などで選ぶのがスタンダードだったが、どの会社の携帯を利用しているかによって、ペット保険を選ぶという新しい入口ができたといえる。具体的には、
■携帯がドコモの場合
ドコモのペット保険へ加入したほうが直接アイペットと契約するより保険料がお得
■携帯がソフトバンクの場合
ソフトバンクペット保険へ加入したほうが直接アニコムと契約するより保険料がお得
■携帯がauの場合
auかんたん決済で保険料引き落としが携帯料金と一括になり、保険料分のauポイントがたまる。
ペット保険に加入しようと思った場合、まず携帯会社が販売しているペット保険から検討するというこれまでなかった選び方ができたといえる。
auがペット保険の取り扱いをはじめ、追随することでドコモ・ソフトバンクが新たな顧客層を開拓しペット保険市場が一段と拡大していくのか、今後もその動きを注視したい。
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ライター紹介
石川 拓也
保険、共済関連のフリーライターです。昼間の顔は、某保険会社関連企業でアナリストをしています。1974年生まれ、男性。ちなみに、名前はペンネームです。 更新情報などを配信しますので、よろしければ、Twitterへフォローをお願いします。