ペット保険ニュース どうした、アニコム?<前編>

2015/12/04

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2014年秋― ペット保険シェアダントツNo.1のアニコム損害保険株式会社が、またも商品改定に乗り出しました!これまでにも90%補償の売り止めや保険料見直しなど、近年、商品改定が相次ぐアニコムは、今回、業界最大手の決断としては首を傾げたくなる2つの大改定を断行しました。さて、その中身とは…?

消えた「無制限」

1つ目の大改定は、通院・入院に支払限度日数が新設された点です。

これまで通院・入院は、1日あたりの支払限度額が設けられていたものの、支払日数は無制限でした。保険を利用できる日数が「無制限」という点は、アニコムが多くのお客さまから支持されてきた理由の1つと言えるでしょう。

混迷する業界最大手

「弊社のご契約の約96%は、1年間における通院・入院の利用日数がいずれも20日以内です。これを踏まえ、利用できる日数に20日までという上限を設けることで、従来商品プランよりお手頃な保険料プランとなっております。」

アニコムは今回の大改定をこう説明しています。

アニコムが提供するすべての保険プランで通院・入院の補償日数に上限が設けられ、その日数は1年間の保険契約期間内で「20日」まで。

補償日数に制限を設ける代わりに、保険料を従来に比べて数~10%ほど下げることで、家計に優しい商品に仕上げています。

ただ、家計に優しくなったとはいえ、補償日数が無制限でなくなったことで、肩を落とすお客さまもいるのではないでしょうか。

今までのアニコムは、他社と比べて保険料が高い、でも補償日数が「無制限」という手厚さに魅力を感じ、アニコムを選んでいる人も多いのではないでしょうか。

保険料を他社水準まで下げることと引き換えに、アニコムならではの手厚い補償を捨ててまで「他社並み」の補償内容に陥った業界最大手の変化は、「改革」というよりはむしろ「混迷」のように思えてなりません。

保険料引き上げのWパンチも…?

また、この大改定に目を奪われてつい見逃してしまいそうな変化についても、ここで触れないわけにはいきません。アニコムが保険料を設定する基準となっている「品種クラス」が一部の犬種(ミニチュアダックスやシー・ズーなど)で見直され、これにより保険料が実質的に値上げされたのです。

アニコムによると、品種クラス見直しの理由は「契約全体に占める品種別の契約数割合のバランスや品種特有の病気のリスクなど」とのこと。

確かにミニチュアダックスやシー・ズーは街中でもよく見かける犬種である一方、ミニチュアダックスはヘルニア、シー・ズーは皮膚病などにかかりやすいと言われます。症状が一度落ち着いても痛みやかゆみが再度現れるような、再発しやすい病気にかかりやすい犬種もあることでしょう。

そのため、一概に品種クラス改定の必要性を否定することはできません。

ただ、もともと業界水準に比べてやや割高と言われるアニコムの保険料が、今回の無制限廃止の大改定と同じタイミングで、さらに引き上げられるとなれば、当然ながらその競争力は失われます。

大量の顧客流出を招くようなら、ペット保険業界の絶対的王者として君臨していたこれまでの堅強な地位が揺らぐのも、時間の問題かもしれません。

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ライター紹介

石川 拓也
保険、共済関連のフリーライターです。昼間の顔は、某保険会社関連企業でアナリストをしています。1974年生まれ、男性。ちなみに、名前はペンネームです。 更新情報などを配信しますので、よろしければ、Twitterへフォローをお願いします。

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